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今村仁司『マルクス入門』

今村仁司『マルクス入門』要約

序章 さまざまなマルクス像
○政治革命の指導者がマルクスの解釈権を独占してきた
 →全世界のマルクス理解を方向付ける結果に
→一方で偏見から離れてマルクスを読む努力も連綿と続いている
○現在の読者は過去の読解図式を精神の中に内面化している
 →しかし一定の距離をとるなら古典を読む上での窓口となる
  →そしてマルクス解釈には大きく分けて三類型存在する
1 第一類型=経済中心史観
○経済は社会全体の土台
 ・経済が重要である
 ・経済がすべての現象を決定する
  →両者は別の事柄である
○反映論
 ・経済史観は反映論(経済的土台が上部構造に反映)
  ⇔論理的順序からすると政治的支配の後に経済的なものが生じるはず
○市民社会
 ・かつては政治社会を意味していた
  →のちに経済社会を意味するように
  →同時に政治社会は国家の名称を独占
 ・ある程度まで政治と国家による保護と拘束を必要としない自己再生産システム
○階級分解
 ・古い政治体制の解体
 ・産業革命
  →一つの社会を二分する階級分解
   →すべてが経済によって決定されるかのような印象
    →経済史観に魅力
○マルクスの「唯物史観」は論争的性格を持っていた
 →ところが後の弟子たちはそれを一般化し教条化した、「マルクス主義」
2 第二類型=実践的主体論
○経済決定論の内在的矛盾
 ・経済構造によって決定されるなら個人の自由な意思が介入する余地は全く無いはず
  →決定論とは相容れない
○ローザ・ルクセンブルク
 ・労働者大衆の自発性
 ・労働者民主主義
○ルカーチ
・実践的主体性論
  .廛蹈譽織螢◆璽箸亮臑寮または自覚した階級意識
  ⇔鮖砲漏級意識に目覚めた実践的主体が作る
・ルカーチはエンゲルスの自然弁証法を批判
・ルカーチは弁証法によりヘーゲル復権を果たした
 ・またマルクスとの連結も図った
  →ヘーゲル的な歴史の理性をマルクス的な集団的理性に変換
 ・革命的メシアニズム
 ・イデオロギー批判を文化批判にまで拡大
3 第三類型=構造論(関係論)
○社会の本質=「関係する行為」
 →関係する行為の束が関係的構造を形成
  →構造の中で主観と客観が形成される
○社会は制度として個人を拘束する
 →個人は社会的個人である
  →個人主義社会観の限界
○マルクスの仕事の科学性(アルチュセール)
  →マルクスは社会とその歴史の科学的認識を構造の概念をもって把握した
   マルクスはヘーゲルの「意識の弁証法」を経済と社会の実践へ唯物論的に変容
○歴史の概念(アルチュセール)
 ・構造は歴史的時間の中におかれてはじめて動的な現実性を持つ
 ・複数の領域からなる社会構造それぞれ独自の運動リズム
  →異質時間相互の分節化と編成を分析
○イデオロギー(アルチュセール)
 ・理論的イデオロギー
 ・実践的イデオロギー
  →マルクスをマルクス主義から解放、既存マルクス主義の終焉

第一章 「ギリシア人」マルクス
1 古代ギリシアへの憧憬
○マルクスはドイツ的思想家であると同時に古代ギリシアを精神的故郷としていた
2 コミューン(共同体)のギリシア的イメージ
○共同体
 ・マルクスにとって来るべき共同体は本性においてギリシア的になるべき
○自由
 ・近代的自由:労働する自由
 ・古代的自由:労苦から開放され共同の事柄について考え、討議し、管理、運営
  →マルクスは労働からの解放を宣言
   ギリシアの思想への変更は物質的活動をも自由な活動へと変貌させる点
3 商業と貨幣に対するギリシア的批判
○古代ギリシアの倫理がマルクスの背後に控えている
 ・贈与心性
○貨幣の本質
 _瀛召鰐椶妨える神、事物の倒錯であり転倒
 貨幣は「普遍的」な娼婦
○貨幣へのギリシア的嫌悪
 ・貨幣と商業は分裂なき共同体の中に亀裂を持ち込む
4 古代無神論とマルクス
○ヘーゲルの絶対精神の哲学に倣い無神論
 ・マルクスはヘーゲルを徹底した自己意識の哲学とみなした
 ・フォイエルバッハの影響を受け無神論と唯物論を結びつける
  →二者結合の主導権は無神論

第二章 分裂なき共同体
1 政治への関心
○ギリシアのポリス共同体をひそかなモデルに
○ヘーゲルにとってもマルクスにとっても人間は精神的存在であるべき
2 共同体の分裂
○ヘーゲル
 ・個人が国家の公民である限りでのみ自由を実現できる
○マルクス
・本来の自由とは分裂なき共同体の中でのみ可能
 →国家とは中間項であり媒体である
  国家は人間の相互承認を取り持つ媒介者でありその構造により国家は宗教と同質的
 ・現在は共同体が分裂している、政治的民主主義
  \治的共同存在、類的生活
  ∋毀閏匆顱個人的生活
 ・あらゆる開放は世界の様々の関係を人間自身へと復帰させること
  →ルソー的共同体を模範に
   →しかしさらにルソーの放置した「私人」の分裂状態を「社会化」
3 自由な実践(プラークシス)
○分裂した共同体の中で生きる限り、現実の不幸を隠蔽するために宗教を渇望する
 ・これはあくまで理論的批判である
  ↓
○実践
  崚学を実現することなしには哲学を止揚することは出来ない」、非=哲学
 智慧とは実践である
 人間の完全なる喪失であるゆえに、人間の完全なる再獲得によってのみ自らを獲得しうるような階層を作ること
4 社会の変革
○労働貧民
 ・それ自身で既に社会の解体そのものである
  →社会は自身が自己を変革する条件を内部から産出
○知識人
 ・知識人は事実的な現実的智慧者としてのプロレタリアートと同一の行動をすべき
  ↓
○非=哲学とプロレタリアとが結合する時プロレタリアは「即時的」状態から「対自的」状態へと覚醒、非=哲学は智慧として現実の世界に実現する
○マルクス的なプロレタリアートは絶対的無所有・無資格の存在
 →消極的な仕方で分裂なき共同体を実現
  →ここにおいて労働階級とプロレタリアートはほぼ同義
5 自然と人間の統一
○分裂は人間と自然との間でも生じる
 ・労働および経済
○疎外
 ・労働の疎外:私的所有体制による類的で共同的労働からの分離
  →自己疎外:労働が自分自身から分離
○私的所有体制の廃棄
 →疎外と自己疎外の回避
 →公民的市民社会の実現
  →分裂なき共同体
○近代の構造という経験が非常に重大であった

第三章 文明史のなかの資本主義
1 文明史論としての唯物史観
○下部構造の強調
 ・研究方針の提示であり学問の内容ではない
  →経済史観のように歴史の一般理論に上昇させることはできない
○マルクスはまず資本主義経済体制を歴史過程から分離して、それ自体として運動する独自の経済的社会を構造論的に分析し描写
2 歴史哲学的考察
○マルクスは人類史を三つの段階に区切る
 第一段階:人格的依存関係、儀礼的な応酬・互酬体制
 第二段階:近代資本主義、限定された形でのみ個人の形式的な自由と自立がある段階
 第三段階:分裂なき共同体、自由人を形式的にも実質的にも完成させる社会関係
○資本主義における資本と賃労働の関係
 ・両極の関係が再生産される必要
  →共同の土地所有を解体、自由な小土地所有を解体
○人類史の第一段階
 ・個人は共同体に属す
  →個人の生存は共同体に所有されている
   →事物は承認される限りにおいて個人所有が許される
    →個人と共同体の分離はありえない
3 原初的共同体論
○マルクスの考察は歴史哲学的である
○三類型における個人所有の自立性
 ・第一類型:個人所有が共同所有のなかに埋没
  →事物の商品関係は不在、市場的取引は無い
 ・第二類型:共同所有から遊離し始めるが原則的に共同体と共同所有に依存
  →商品経済は原初的共同体を揺るがせるまでには至らない
 ・第三類型:個人と個人所有が優勢になる
  →共同体の拘束は強く、個人と個人所有の発展は共同体と共同所有から解放されない
4 文明史のなかの資本主義
○マルクスの類型論:資本主義の発生を説明するための装置
 →原初的共同体の解体が資本主義の構造的形成の前提
○原初的共同体の解体
 →労働と資本とに分離、個人の成立、資本主義
  →貨幣と資本から共同性を取り戻す
→自由人の共同体、分裂なき共同体(第三類型的)

第四章 歴史的時間の概念−ヘーゲルとマルクス
1 歴史的時間の蓄積
○歴史的時間
 ・人間的行為:否定的にして限定的な変形行為
→時間を生み出す、状態の変化を人が自覚することが時間である
   →人間は時間的でありそれ以上に時間そのものである
 ・人間とは欲望そのものである
  ー然的欲望
   →経済活動、事物の分配
  ⊆匆馘欲望
   →政治活動、権力分配
○歴史とは現実と言説の複合
 ・歴史的時間は現実の人間と一体でありその意味で具体的
○アウフヘーベン(止揚)
 “歡蠅垢襪海
 否定されたものを保存すること
 J歛犬靴弔直緇困覆い珪魂擇気擦襪海
  →歴史の非連続と連続を見通すことを可能にする
2 死者が生者をとらえる
○努力
 ・過去の人間の経験のなかで最も本質的なものだけを変形して保存する広範な営み
  →人間的活動の範囲内に入り込むすべては過去の経験の蓄積であり歴史的存在である
   →過去の諸社会を変形的に保存する以外には現存社会はありえない
○マルクスの強調点
・現在の社会構造の諸要素を腑分けし概念へともたらすことを通じて過去の社会構造のもっとも原初的な土台を概念的に再構成
○ヘーゲルもマルクスも「絶対実在論」
3 価値の形式的関係のなかに全歴史が包まれること
○「貨幣形態の生成」
 (々交易
 ▲蹇璽ル・マーケット
 L疑瑤両ι焚礎佑髻嵳0譴痢彎ι覆砲茲辰読集
 ぐ貳姪等価物が「専一的に」金銀へと収斂
  →第四形態はそれ以前すべての諸形態をアウフヘーベンしている

第五章 『資本論』の学問−「新しい学」の創造
1 さまざまな構想
○マルクスの学問の組織法は科学と哲学の二重記述
2 経済学批判
○マルクスはミクロロジーを得意とする
 ・「答えのなかに問題を見る」
○マルクスは経済学を真性の科学とは認めていなかった
 ・経済神話
3 『資本論』の学的構造
○マルクスの学問の性格についての二つの解釈
 ・科学者
 ・哲学者
  →マルクスは科学者としても哲学者としても受け止められてきた
○ドイツ的な意味でのヴィッセンシャフト
 ・総体としての科学
 ・事象の哲学的意味の理解を同時に書き込み内観反省へいざなう
  →二重記述

書記
・ルカーチの主体性論ってもう主観論じゃないの(pirosiki)
・P46「科学」
・P51保留
・アルチュセール『マルクスのために』も読んどく?
・P185、本当にヘーゲルは実在論者か?(pirosiki)
・著者の解釈とマルクスの意図とを見分けられない、あとがきでは四章と五章がそうだとされているが一章と二章も自説くさい(pirosiki)

今回は二回に分けて行われました。

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